ポケットモンスターというゲームは都市伝説を内包しやすい構造になっている

ポケットモンスター サン・ムーンが発売された。
発売日に購入し、1週間かけてようやくクリアしたが、今作は非常に楽しかった。
ポケモンジムを廃止し「しまめぐり」という新たな目標が設定されてゲームプレイにどういう影響を与えるのか気になっていたが、まったくプラスに働いていたように感じた。
キャラクターも魅力的で、愛着が湧いたり、勝負に燃えたりと、BW以来なんとなくピンと来なかったポケモンのシナリオというものが久々にガツンと俺の心にヒットしたように思える。



さて、サン・ムーンの感想は置いておいて、本題に入ろうと思う。



ポケモンというゲームは、多くの噂・都市伝説を孕んでいる。
初代の赤緑バージョンに限っても、

・ライバルのラッタ死亡説
・ゲンガーはピクシーに悪霊が乗り移って生まれた説
・バタフリーとモルフォンは逆だった説
・フジ老人=フジ博士説

など、様々な都市伝説が存在している。
ポケモンの都市伝説の一部は公式に肯定されたり、あるいは否定されたり、そもそも根も葉もない噂だったりするわけなのだが、根本的な疑問として、なぜポケモンはこれほどまでに多くの都市伝説を生み出してきたのだろうか。


そもそもポケモンというゲームは意図して噂を発生しやすいように作られている。
その代表格が、「ミュウ」の存在だ。

初代ポケモンにおけるミュウは、ポケモン屋敷の日記でのみその存在の一端を知ることの出来るポケモンであり、通常プレイではミュウツーは入手出来ても、その親であるミュウを一目見ることさえ出来ない。

「設定でのみ存在しており、ゲーム中は登場しないポケモン」
これだけで、もはや噂にしてくれと言っているようなものではないだろうか。
仮にミュウを生成するバグ技が発見されなかったとしても、ポケモンを遊んだ小学生の間では、「こんな方法でミュウが手に入るって聞いた」「ここでミュウが出てくるらしい」といった噂話に花を咲かせたに違いない。
結局、デバッグ終了後に空いたデータの隙間にねじ込むという開発者の遊び心と、初代ポケモン特有のガバガバ挙動で起こりまくるバグのおかげで、ミュウの噂は実現可能なものになり、信憑性を持ってますます加熱したわけだが。

※:社長が訊く『ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー』



その他にも、ポケモンには意図して無意味で意味深なオブジェクトを多数配置している。
金銀のウバメの祠はあまりに噂が立ちまくり、最終的にクリスタルで本実装されたのは既定路線だったのかそうでないかは不明だが、ルビー・サファイアの白い岩などはもう完全にわざととしか思えない。
他にも初代ではクチバ港のトラック、金銀ではアルフの遺跡で狂うラジオ、ルビー・サファイアでは日照りの岩戸、ダイヤモンド・パールではヨスガの教会など、毎回一作に一つは謎を謎のまま配置しているように思える。

開発者側があえてどうとでもとれる謎を残しておくことで、プレイヤー側が勝手に深読みし、ポケモンの闇であったりガセ技だったりとして人々の間で流布され、ポケモンというコンテンツ自体が活気を帯びていく。
身も蓋も無い言い方をしてしまうと、エヴァの考察が流行ったのと同じだ。



ホントかウソか分からない噂を語り合うというのは、危ないけど楽しいものである。
というわけで、みんなもガセネタに気をつけつつ謎を楽しもう!(適当)

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