遊戯王OCG 最新ブースター ETERNITY CODE収録のマドルチェカテゴリの新規カードがヤバすぎる

遊戯王OCGでマドルチェカードが初めて登場したのは2012年4月、「RETURN OF THE DUELIST」に収録されたところから。

メインデッキのマドルチェは破壊された場合にデッキに戻るという共通効果を持っており、墓地にモンスターがいないことで効果を発揮するカードと組み合わせるというコンセプトだった。

当時俺はこのパックを箱で買ってマドルチェを組み始めたのだが、次弾の「ABYSS RISING」の追加を含めてもあまり強いデッキとは言えなかった。

「クイーンマドルチェ・ティアラミス」は当時としては破格の「対象を取らない・デッキバウンス」という効果を持つモンスターであり、その除去能力は「氷結界の龍 トリシューラ」に勝るとも劣らないと言われた。しかし肝心の召喚条件が「☆4マドルチェ×2体」と若干難しく、また効果を発動するにはマドルチェが墓地に1体以上存在しなければならないという制約により、当時準制限~制限カードだった「血の代償」を用いて☆4マドルチェを並べたり、あえて☆3マドルチェから「M.X-セイバー インヴォーカー」を経由することにより墓地にマドルチェを落としつつ☆4マドルチェを確保するなど、涙ぐましい努力により「ティアラミス」のワンチャンを通すことを狙っていた。

そんなマドルチェだったが、2013年2月の「LOAD OF THE TACHYON GALAXY」で「マドルチェ・ホーットケーキ」「魔導人形の夜」、2014年2月の「PRIMAL ORIGIN」で「マドルチェ・エンジェリー」、2015年2月の「クロスオーバー・ソウルズ」で「マドルチェ・プリンセス・ショコ・ア・ラ・モード」と、概ね一年に一度のペースで強化されており(ピョコレートは忘れろ)、そのたびにじわじわと強く、というかぶっちゃけ「ティアラミス」のワンチャンを通してワンキルするだけのデッキとしての完成度を上げていったのだが、それ以降はしばらく強化が途絶えてしまった。

直接の強化が途絶えたとは言っても、ARCVで登場した捕食植物を混ぜてランク3を作りやすくしたりとデッキの強化は検討されてはいたが、いかんせん過去のデッキという印象が否めない状態が続いていた。

そんな折、10期の2017年11月に発売した「LINK VRAINS PACK」で「フレッシュマドルチェ・シスタルト」が登場。これ自体は強い効果を持っていたわけではなかったのだが、マドルチェに新規カードが登場したという事実だけで、このカテゴリがまだ生きていたことを実感し、マドルチェ使いたちは喜びに打ち震える。「どうせならもっと強いリンクモンスターが欲しかった」と愚痴を垂れつつ。

だが、10期のマドルチェはここからが本番だった。2018年10月の「SAVAGE STRIKE」で「マドルチェ・プティンセスール」、2019年1月の「DARK NEOSTORM」で「ティーチャーマドルチェ・グラスフレ」が立て続けに登場。「プティンセスール」は今まで使いにくい☆5のモンスターだった「マドルチェ・プディンセス」を一気に必須カードにまで押し上げ、「グラスフレ」は後攻ワンキル一辺倒だったマドルチェデッキに先行の選択肢を与えた。

これによりマドルチェは一応の完成を見た。もはやマドルチェは完成されたデッキだと、そう誰もが思っていた。だが、奴は弾けた

2020年1月12日。「ETERNITY CODE」にて、2枚のマドルチェカードが登場する。

「マドルチェ・サロン」


「マドルチェ・プロムナード」

ヤバすぎる

「サロン」はマドルチェと名のついた血の代償というだけでも十分にヤバい(マドルチェは禁止になるまで血の代償を採用していたし、今でも二重召喚の採用を本気で検討されるレベルだった)のに、おまけでマドルチェ魔法罠サーチまでついてくる
マドルチェカードなおかげで、「メッセンジェラート」でサーチできる。そして召喚権を使ってサーチするいわゆるエアーマン枠の「マジョレーヌ」に、同名サーチや同名ターン1の制限が存在しない
これに関しては8期の古いカードだからこそのメリットだろう。召喚権が許す限りアドが取れるのがマドルチェデッキなのだ。だからこそ、待望を通り越して引くレベルのヤバつよカードである。

「プロムナード」は通常罠ではあるが、その効果は相手フィールドのカード効果を無効にするというカウンター系だ。今までマドルチェには2枚のカウンター罠が存在していたが、そのどちらも墓地にモンスターがいないことを要求するため、手札誘発モンスターとの食い合わせが悪く、採用を見送られていた。だがこのカードは墓地にモンスターがいないどころか、「墓地かフィールドのマドルチェを手札に戻す」という効果が付属している。カウンターしてくれる上にマドルチェをバウンスしてくれる。至れり尽くせりかよ。マドルチェが手札に戻ることで様々なマドルチェカードのトリガーになるし、墓地を掃除するのにも使える。無効化は手札誘発モンスターにこそ対応しないものの、魔法・罠・モンスターのいずれも対象に取ることができ、対応範囲は広い。さらに②の効果は墓地発動でX素材を補充できるというオマケつきだ。これはあくまでオマケなうえ、マドルチェは墓地のマドルチェ魔法罠を回収して使い回す戦法がメジャーなため除外してまでこちらの効果を使う機会は少ないものの、デッキから「プディンセス」を「ア・ラ・モード」に補充するということも可能なのが偉い。なにより「メッセンジェラート」でサーチできる。これにより、先行で「ミィルフィーヤ」「メッセンジェラート」あと3枚死に札というクソ手札からでもとりあえずカウンターを用意することが出来るようになったし、もっと良い手札ならさらに盤石の布陣を組むことが出来る。

先行では「プロムナード」と「グラスフレ」の布陣。
後攻では「ティアラミス」による除去とワンキル。

先行後攻隙のない、最高のデッキがここに誕生した。

もはや望むものは何もない。だが、強いて言うなら……マドルチェ柄スリーブを再販してほしい。
実は8期頃に発売された遊戯王公式スリーブは酸化防止が疎かで、開封した瞬間から徐々に劣化してしまうようになっているのだ(通称ヴェルズ化)。

ご覧の通り、俺が大切に使っていたはずのマドルチェスリーブも隅から色が剥げてしまっている。

こんな状況ではとても使えないし、何より手元に残っている未開封品を開けることも躊躇われるので、再販を切に望む。それさえあればもう何も言うことはあるまいよ。


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