遊戯王VRAINSが終わってしまった

最終回を見た。

なんというか、最後まで奥歯に物が挟まったようなアニメだな、という印象だった。

最初にキービジュアルが発表されたとき、妙にキャラデザを外してきたなと感じたことを覚えている。ARCVのキャラデザがどれも秀逸だったから余計にギャップを感じたのもある。

ARCVが3月に終わったのに、何故かVRAINSは放送開始が5月だった。間を特番で繋ぐあたり何かあったんだろうなと察するに余りあった。

OCGの商品展開との連携にもズレが生じているように見えた。OCGで登場してから3ヶ月近く期間を開けてアニメで登場することもあった。

一時期、やたら総集編が多かった。不満というより心配になるレベルだった。




まあ、そんな感じで首をひねるようなことが多かったので、仮に打ち切りだったとしても驚きはしない。9月終了というのも前例がないわけだし。

ARCVは良くも悪くも、いや9割ぐらいは悪い意味で心を動かされるアニメだったが、VRAINSを見ていてもあまり楽しみも怒りも感じなかった。単にARCVで心に深い傷を負った俺が無意識のうちに遊戯王アニメに入れ込まないようにしていたのかもしれないが。

ゲームで例えるなら、キャラと交流するサブクエストを全部無視してメインストーリーだけを走ったRPGのようなものだ。プロットを忠実になぞった結果、破綻もないが遊びもない。工業製品のようなアニメだった。

だから最終回を迎えても、あまり寂しいという気持ちはない。ああ、終わったんだな、と他人事のように感じる。ずっと寝たきりの老人の最期を看取ったような気分だ。



あと、複雑化するOCGに準拠したデュエル構成も良くなかったのかもしれない。いや、だからといってZEXALみたいなことをやられても困るのだが。それにしたってあまりに複雑すぎてミスも多かったようだし、見てても何をしてるのかよくわからん。



鬼塚や葵まわりはもっと掘り下げの余地があっただろうし、遊作としてのリアルデュエルも見てみたかった。もっと尺に余裕があればよかったがどうにもならない。そのせいで遊作が急に絆とか繋がりとか言い出すのに違和感があった。遊作はずっと独りだったし、これからも英雄であることを求められ続けるのだろう。つらすぎないか。



序盤の製作状況が見ててわかるレベルでごたついていたのはARCVの残したダメージだったんだろうが、それ以降もARCVと同じ轍を踏まないことばかりに神経を注ぎすぎていたように思う。VRAINSは悪くないアニメだったが、それだけだった。




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