FGO 新たに追加された7騎の低レアサーヴァント性能所感

FGO5年目にして、初めてフレンドポイント召喚に☆2以下の低レアサーヴァントが追加された。それも一度に7騎も。

200万近いフレポを全部溶かしたのに宝具5に届かない鯖が残ってしまった。

それはそれとして今回追加された7騎の鯖について、性能の所感を述べたいと思う。



イアソン ☆1セイバー


初の銅レアセイバーということで初心者にはありがたいのではないだろうか。

本人の「勇者である前に船長」という弁の通り、補助寄りのスキル構成をしている。

スキル1「求めし金羊の皮」は味方単体のHP回復・弱体を1つ解除。
「1つ解除」がどれを解除してくれるのかは未検証だが、ヘラクレスの弱点である火傷等のDoTの回復に役立つだろう。

スキル2「虎口にて閃く A」は味方単体に回避付与1回1T・スター集中1T・デメリットとしてイアソン自身の防御ダウン。
これもヘラクレスの耐久場持ちと火力の底上げに役立つと言える。

スキル3「友と征く遥かなる海路 B++」は味方全体の攻撃力アップ3T・自身以外の〔アルゴー船ゆかりの者〕に対してNP増加(10~20)・クリ威力アップ3T・スター発生アップ3T。
〔アルゴー船ゆかりの者〕というのもまた曖昧な表現だが、まず間違いなくヘラクレスは対象なので彼のサポートとしては十分だ。

Arts宝具「天上引き裂きし煌々の船」は自身のArtsアップ3T・全体攻撃というシンプルなものだが、演出がユニークで一見の価値がある。



総合的に見て、いかにもヘラクレスの横に置いてくれと言わんばかりの性能だ。

初心者はチュートリアルガチャでヘラクレスを引いて始めることが多いだろうから、フレポで簡単に出る☆1の彼を相方にすれば楽に進められるのではないだろうか。

☆1故の低ステータスとスキル2のデメリットによ耐久面では脆いのがデメリットと言えばデメリットだが、ヘラクレスと並べた場合はタゲ集中しなくても単騎へ導きやすいという点でメリットにもなり得る。完璧過ぎる…。



パリス ☆2アーチャー


☆2アーチャーとしては初、銅アーチャーとしてはアーラシュに続く2騎目。

こんななりだが男の子らしい。

スキル1「太陽神の眼(偽) B+」は自身に回避付与1回1T・敵単体のクリ発生ダウン1T・強化解除・強化解除に成功した場合〔急所判明〕状態を付与3T。
低レアで強化解除スキルを持つ鯖は(俺の調べが正しければ)初めてのはずだ(メディアも実質そうだけど)。強化無効を持つメフィストフェレスと同様に、その目的でのピンポイント起用もあり得る。
また、彼の宝具は「急所判明」特攻なので、ロビンと同じく自前で特攻源を付与できるアーチャーとしての活躍も期待できるだろう。相手が強化状態である必要はあるが、ロビンの毒と違って対魔力で弾かれないのがメリットになる。
ちなみに清姫のストーキングで強制的に相手にバフを乗せてからパリスで剥がすコンボもあるらしい。ストーキングで急所判明という字面は笑えるが、ロマンの域は脱し得ないだろう。

スキル2「男神の寵愛 B」は自身の攻撃力アップ1T・防御力アップ3T・弱体耐性3T。シンプルな自己強化だ。攻撃バフが1ターンなので基本は宝具に合わせる形になる。

スキル3「不和呼びし黄金の林檎 EX」は自身のNP増加(10~20)・HP回復。NP20は非常に惜しいが無いよりは断然マシか。

Quick宝具「輝かしき終天の一矢」は自身に無敵貫通を付与1Tしてから敵単体に〔急所判明〕特攻攻撃。
前述の通り「急所判明」は自身のスキル1で付与できるため、特攻は活用しやすい。急所判明は強化解除に付随するので、事実上の「強化状態(解除不能なものは除く)」特攻とも言える。



総評としては、強化が厄介なセイバーを相手にする場合はピンポイントで有効なアーチャーと言える。それ以外のスキルは言ってしまえば凡庸なので、いかにスキル1を有効活用できるかにかかっているだろう。



ガレス ☆2ランサー


☆2ランサーとしては弁慶・レオニダスに続く3騎目。タゲ集中を持つ点で二人と共通する。

ルルハワイベントで円卓の腐女子として(?)登場したのが記憶に新しい。当時真名は明かされていなかったもののガレスではないかと予想されていたが、実際その通りだった。

スキル1「戦闘続行 C」は自身にガッツ1回3Tを付与。特筆すべきこともないが、後述のスキル3でタゲ取りをする際の事故防止としてのシナジーはある。

スキル2「美しい手のガレス B」は自身のNP増加(10~20)・被ダメージ時に自身の攻撃力アップ1回5Tする状態を付与3T。
前半はシンプルなNP20。後半は微妙にわかりにくいが、3ターンの間攻撃を受けるたびに「攻撃力アップ1回5T」を獲得するという効果。後述のスキル3と組み合わせることで安定して発動を見込める。
「攻撃力アップ1回」が複数付与された場合、一度の攻撃ですべて消費するので宝具に合わせると重複し強力なバフと化す。
ところで「美しい手のガレス」って本人そのものなのにランクBってどういうこと?

スキル3「変身の指輪 B」は自身にタゲ集中1T・防御力を大アップ1T・NP獲得量アップ1T。
タゲ取り役としては1ターンしか作用しないので専門職にはなり得ないが、スキル2と組み合わせてバフを増やして宝具を撃つという運用が想定されているのだろう。

Buster宝具「猛り狂う乙女狼」は自身に無敵貫通付与1T・単体攻撃・防御ダウン3T。
無敵貫通単体宝具はシンプルに使いやすい。防御ダウンの追加効果も悪くはないのだが、宝具攻撃後なので前述のバフとは噛み合わないのが難点か。



総評としては、「攻撃を受けてからカウンター」というデザインで設計されているように見える。同クラス・同レアリティ・タゲ集中持ちの弁慶やレオニダスと違い、本人も殴ることが前提という点で差別化されているのだが……一つ問題がある。それは彼女のステータスで、なんとLv65時点でATKが5,413(銀フォウ込みで6,413)しかない。アタッカーを務めるにはなんとも頼りなさすぎるというか、聖杯でLv100にして金フォウまでつぎ込んでもATKが10,000に届かない。いくら重複バフがあるとはいえ、これでアタッカーをやらせるのは少々酷だ。コンセプトは面白いがスペックが追いついてない、非常に惜しいサーヴァントとなってしまった。



バーソロミュー ☆1ライダー


☆1ライダーとしては初。銅ライダーとしては黒髭・ゲオルギウスに続く3騎目。

以前から黒髭のセリフで名前が出ていたほか、鳴鳳荘で顔出ししていた。いかにも大海賊という評判だったので、まさかの☆1での実装には驚いた。

スキル1「嵐の航海者 A+」は味方全体の宝具威力と攻撃力アップ1T。
船乗りおなじみのバフスキル。ランクはドレイクと同じA+なので倍率はそこそこ。

スキル2「海賊紳士 A」は自身のスター集中ダウン3T・味方全体のクリ威力アップ3T。
味方にクリティカルを任せるというやや珍しいスキル。ライダーはスターを吸ってしまいがちだが、このスキルのおかげで味方へのクリ補助を務める事ができる。

スキル3「疾風の略奪 A」は自身のQuick性能アップ3T・敵全体のクリ発生ダウン3・スター獲得(10~20)。
スキル2と組み合わせることで味方のクリティカルをサポートするのに最適。Qアップも宝具に合わせることで星出しに役立つと思われる。

Quick宝具「高貴なる海賊準男爵の咆哮」は敵全体に〔低レア〕特攻攻撃・防御ダウン3T。
低レア特攻というFGO史上初の特攻宝具にして、「低レア」という単語が公式用語と化した瞬間でもある。ちなみにこの宝具における低レアとは銅枠のエネミーを指すので、運営的に銀鯖は低レアとは呼ばないようだ。まあレアガチャから出てくるしね。(アンリマユは不明。というか敵で出てくるまで検証しようがない)
意外と知られていないが、このゲームではサーヴァント以外の敵エネミーにもレアリティが割り振られている。序盤の雑魚敵には銅枠、ボスエネミーには金枠が割り振られている事が多いので、この宝具は雑魚散らしに有効ということになる。



総評としては、wave1~2の雑魚敵を倒しつつ、スターを獲得し最終waveでの味方のクリティカルを補助するというシンプルな立ち回りができるライダーと言える。☆1故に特攻が乗らない宝具火力には期待できないので敵を選ぶ鯖ではあるが、噛み合ったときはなかなか悪くない働きが期待できる。



陳宮 ☆2キャスター


サ イ エ ン カ タ パ
人 権 侵 害 
全てのサポートキャスターを殺した男
い ざ 尋 常 に 射 出

とんでもないサーヴァントが生まれてしまった。 こいつの宝具が前代未聞過ぎるのだが、地味にスキルも強力なのでまずはそちらから紹介したい。

スキル1「スケープゴート E」は味方単体にタゲ集中1T・敵全体のクリ発生ダウン3T。
今まで切嗣の専売特許だったスケープゴートをついに獲得。このスキル単体では癖が強く使い所を選ぶのだが、このサーヴァントの特性上あるシナジーが生まれて…(後述)。

スキル2「軍師の忠言 B++」は味方全体の防御アップ3T・ダメージカット3T・NP増加10。
孔明のスキル2と同様だがランクがやや落ちる。NPがギリギリ足りなくてもこのスキルで補うことができるので地味にありがたい。

スキル3「軍師の本懐 A」は味方単体のBuster性能アップ1T・バーサーカーが対象ならさらにクリ威力アップ1T・最大HPアップ1T。
持続こそ1ターンな上に後半はバーサーカー限定ではあるものの、倍率自体はマーリンの英雄作成と同等という強力なバフ。
前半だけを見ても外付けの魔力放出Aなので普通に強い。

Arts宝具「掎角一陣」は敵全体に超強力な攻撃(OCで威力アップ)・味方単体を生贄にする。
おかしいことしか書いてない。超強力。生贄。何言ってんだお前。
「超強力な攻撃」とは単体宝具の倍率を指す。つまりアーラシュのステラと同様に、全体宝具でありながら単体宝具の火力が出るという意味だ。OCで威力が直接アップする点も共通している。
「味方単体を生贄にする」だが、宝具効果にも書いてあるとおり即死耐性を無視する。しかしガッツは有効で、正常に発動する。また、検証の結果生贄にされるのは自身を除く一番左にいる味方ということが判明している。つまり、並び順次第で生贄の対象をコントロールできるということだ。

さらにこの宝具はArts多段ヒットの全体宝具なので、バフ次第でいくらかのNP回収ができる。その結果生まれたのが世にも外道な陳宮システム

陳宮システムの仕組みは簡単だ。玉藻やパラケルススで陳宮にバフを盛り、玉藻を射出する。後ろから出てきた孔明から更にバフを貰い、孔明を射出する。更に更に出てきたスカスカ様からNPを貰い、スカスカ様を射出する。火力が不足するならパラケルススと宝具チェインしてOCを増やす。
錬金術師と組んでサポーターを次々に呼び出しながら射出を繰り返す様を見て、誰が言ったかサイエンカタパ

この構成は一例で、手持ちの鯖や礼装によって様々な組み合わせが考えられる。NPチャージ、A性能アップ、NP獲得アップあたりを持つ鯖なら弾適性がある(なんだこの不名誉な適性は)。

システム周回以外にも面白い活用方法がある。それは生贄はガッツが発動するという性質を利用した、土方やアンメアの最大出力発揮だ。特に土方はBuster宝具のバーサーカーなので、陳宮のスキル3が完璧にハマる。
何らかの方法で土方にガッツを付与し、陳宮で射出、耐えた土方が最大出力の宝具をぶっぱ、あわよくばクリ殴りも狙う。HP1の土方は陳宮のスケープゴートで守ることが出来る。対象は自分でもいいし、なんなら星を出したアマデウスでも差し出せばいい。



総評として、このように様々な使い方ができる優秀かつ個性的なサーヴァントだ。オダチェン内蔵というのはこれほどに強い。システムやガッツ運用に拘らなくても、単純に自分の代わりに孔明が死ぬステラとして周回に組み込むことも出来る。
いやマジでとんでもない鯖が来てしまった…。



陳宮の項目書いてるだけで疲れたのでここで一旦切り上げていい?
だめ?



シャルロット・コルデー ☆2アサシン


2部開始前のCMで顔見せしていたキャラがようやく実装。

スキル1「暗殺の天使 A」は自身の即死成功率アップ1T・回避付与2回3T。
即死成功率アップの倍率は高く、回避2回も有用。

スキル2「鋼鉄の決意 D」は自身に無敵貫通付与1T・攻撃力アップ1T・弱体耐性アップ3T。
巌窟王と同名のスキルだが彼のそれよりランクは劣る。

スキル3「でたらめプランニング D+」はランダムで自身のArt性能、クリ威力、宝具威力のいずれかをアップ3T。
倍率自体は3Tとしては高いのだが、やはりランダムなのがネック。彼女自身の星出し性能は高くないのでクリ威力は引きたくないところ。

Arts宝具「故国に愛を、溺れるような夢を」は敵単体の回避を解除・防御無視攻撃・中確率で即死。
単体即死宝具というアサシンとしてはありふれた性能だが、回避も防御も貫通するという効果を持っている。即死できなくても絶対ダメージを与えてみせるという意思は感じるのだが、☆1スペックでは限界があるというもの。

即死宝具として見た場合、スキルも含めた即死率としては術ニトクリスをやや上回る程度で、低レア鯖の中ではおそらく最高
ただ、単体即死としては最強クラスの殺式という高い壁がある。彼女は配布鯖だったので入手も容易だし、スキル構成としても単純にシャルロットの上位互換のような性能をしているので、殺式を持っているのなら、シャルロットを起用する余地はない
裏を返せば、殺式を持っていない新米マスターが即死キャラを選ぶとすればシャルロットが第一候補に上がるということでもある。



総評としては、ジェネリック殺式。新米マスターはワイバーン狩りのお供にどうぞ。小次郎よりは使いやすいんじゃないかな多分。呪腕でいいと言ってはいけない



サロメ ☆2バーサーカー


戯曲で有名なやべーやつが実装。されるとしてもアサシンと予想されていただろうが、まさかのバーサーカーに。でも言われてみればそんな気もする。

スキル1「血塗られた銀盆 B+」は自身に〔秩序かつ善〕特攻付与3T・攻撃力アップ3T。
秩序善のサーヴァントは結構多い上に自身がバーサーカーなので特攻範囲としては広め。

スキル2「転生の肉体(体) C」は自身に弱体無効1回・防御力アップ3T・無敵付与1回3T。
防御系をまとめたスキル。防御アップの倍率は低めな上無敵も1回のみなのであまり信用はできない。

スキル3「七つのヴェールの踊り A」は自身に毎ターンHP回復7T・毎ターン自身の防御強化状態を1つ解除7T・7ターン後に味方全体のNP増加1回(50~100)。
一見メチャクチャなトンデモスキル。要するに「7ターン耐久しろ、でも防御バフは没収な」と言ってる。
「防御強化状態」とは防御力アップ・ダメージカット・回避・無敵を指す。つまりせっかくスキル2で付与した防御や無敵を1個ずつ持っていかれるということになる。一応リジェネはあるが焼け石に水。
その無理難題の代償として、スキルマで味方全体のNPが100増加。破格ではあるが、サロメを守るための盾役にNPを与えたところで本末転倒。

Arts宝具「あなたにくちづけしたわ」は単体攻撃・呪い付与5T・呪厄付与5T(OCで効果アップ)。
呪いダメージは固定で1000だが、この呪厄はなんと呪いダメージを3倍~5倍に増加させる。呪いパーティを組んだ場合大量のDoTを期待できる。



総評としては、スキル3だけは上手い使い方が思いつかない。それ以外は悪くない能力が揃っているので、割り切って秩序善特攻や呪厄キャラとして活用するのがよさそうだ。
スキル3は物好きがそのうち上手い運用を考えてくれるだろう。



おわりに


さて、これで7騎の新サーヴァントの紹介は終了した。
高レアでも十分人気の出そうなキャラなのに、ガチャで稼げるわけでもないフレンドポイント召喚で7騎も実装するとは驚きだった。ガチャという集金システムそのものは肯定出来ないが、こういう形で還元してくれることは素直に評価したい。

フレポ召喚は時間こそかかるものの、今回の追加は実質全マスターに7騎のサーヴァントを配布したも同然と言える。毎日無料10連を引きつつ、じっくり育てていきたい。特に陳宮を。特に陳宮を!

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